教授挨拶

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教授挨拶

山城健児教授
教授 山城 健児
Kenji Yamashiro

 目の調子が良くて見たいものがしっかりと見えることは、日常生活を快適に送るために欠かせません。「目が見えなくなるくらいなら死んだ方がましだ」という患者さんの言葉を、眼科医なら一度は聞いたことがあるはずです。眼科医の役割は、患者さんの寿命を引き延ばすことではなく、患者さんの生活の質を維持・向上させることです。そのためには眼科疾患のすべてに対応できるチームが必要です。高知大学眼科には角膜疾患や結膜疾患、白内障や緑内障、ぶどう膜・網膜・硝子体疾患、眼瞼・涙道疾患、腫瘍、斜視、神経眼科領域まで幅広い疾患に対応できるエキスパートが揃っています。全員が協力することで、完治を目指すことができる疾患に対しては完全にもとの状態にまで戻すことを目標にして、完治を目指すことができない疾患に対しては最大限の回復を目標にして、薬物治療やレーザー治療、手術を行っています。

 1990年代後半にはevidence based medicineという言葉が広く使われるようになりましたが、実際にはまだevidenceよりも医師個人の経験や判断に基づいた治療を受けてきた患者さんに出会うことがあります。高知大学眼科では、常に最新のevidenceに基づいた医療を行っていくために、evidenceを発信する側に立ち続けることを大切にしています。そのためには自らが行った治療の結果を科学的に分析して発信していく必要がありますし、倫理委員会での承認を得たうえで新たな治療方法の確立にも取り組んでいます。さらに、新しい治療方法を開発する必要がある疾患に対しては基礎研究も進めています。

 次世代を担う人材を育てていくことも我々の重要な使命です。高知大学眼科では幅広い疾患のエキスパートが次世代への教育に熱心に取り組んでいます。全員が均質な医療を提供できるように育てていくのは当然ですが、同時に個性もしっかりと伸ばしていきたいと考えています。他人とは違った格好や他人とは違った言動に頼らないと個性的だと思ってもらえないような人材ではなく、他人と同じ格好で同じことをしていても個性がにじみ出てくるような人材を1人でも多く育てていきたいと思っています。

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